
アルバイトを多く必要な職場にとって人材確保は常に悩みの種です。
若年層は減少しているので、取り合いになってしまっています。
そこでの対策は、時給を上げるのが最速の効果であり、都市部では募集時給が1,800円以上も珍しくありません。
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ですが、「こんなに高い時給を出しているのに~」と嘆きたくなるのが、掛け持ちです。
いまや学生、主婦、シルバーと関係なく掛け持ちでのアルバイトをする人が「普通」になってます。
「他で働くならうちでもっと働いてよ~」と言いたいところでしょう。
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では、なぜ掛け持ちするのか?
雇用側に対策はあるのか?
■ なぜ掛け持ちするのか?
主に以下の理由が挙げられます。
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 💸 収入の確保 | 単一バイトでは生活費・学費・遊興費に足りない。週20~30時間以上は働きたい。 |
| 🕒 シフトが安定しない | 店側の都合でシフトが削られる不安があるため、リスク分散の意味で掛け持ち。 |
| 💼 希望の仕事がない | やりたい仕事・稼げる仕事を複数組み合わせる(例:昼は飲食、夜は倉庫など)。 |
| 🧠 やりがいの分散 | 1つの職場で充実感や人間関係が得られないと、他に居場所を求める。 |
| 🎓 将来のための経験 | 将来やりたい職種のスキルや経験を並行して積むため。 |
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仕事を通していろんな体験をしてみたいと言ったポジティブな考えもある一方、「希望時間働かせてもらえない」のような不満への対応は雇用主側も検討する余地があるのではないでしょうか。
ただ、やはり一番大きな理由は「お金」です。
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兎に角「お金」が第一。
働く以上お金が優先されるのは当然ですが、雇用側はお金以外で働く魅力を感じてもらえる事を模索検討していかないと問題解決の入り口にも立っていない事になりませんか。
■ 日本人も「お金のために掛け持ち」する時代になった背景
① 物価は上がったのに、賃金は上がっていない
- 食料品、光熱費、家賃などが軒並み上昇
- 最低賃金が上がっても可処分所得は減少傾向
- 正社員でも副業せざるを得ない人が増加
② 非正規雇用が当たり前になった
- 若者(学生・フリーター)や主婦は、長期的安定収入を得づらい
- 単発や短時間のバイトでは生活が成立しない
- 正社員であっても給料が上がらない業界も多い(例:介護、教育、飲食)
③ 家庭環境・ライフスタイルの変化
- 親と同居せず1人暮らしの若者
- 教育費・習い事代・家族扶養で主婦やシニアが家計の足しを求めるケース
- 奨学金の返済や推し活(ライブ・グッズ)など目的消費型
■ 現代日本人アルバイトの「心境」や「価値観」
| 心境・価値観 | 解説 |
|---|---|
| 💸 「とにかくお金が足りない」 | 生活防衛的にバイトを掛け持ち。節約だけでは足りない。 |
| 🪙 「好きなことに使うために稼ぐ」 | 推し活・推し遠征・ゲーム課金など目的のために短期集中で働く傾向。 |
| 🧩 「働き方に自由を求める」 | 1つの職場に縛られるのを嫌う。「好きな時間に働きたい」意識。 |
| 🧠 「働いても未来が見えない」 | 時給や昇給に希望を持てず、「将来のために」が曖昧になっている。 |
| 🫥 「人間関係に期待しない」 | 過干渉を嫌い、表面的な関係を望む人も。距離感が難しい。 |
■ 結果として…
- 掛け持ち=合理的な選択肢になっている
→「この店は週2、あの倉庫は深夜だけ、Uberもやってる」といった分散型労働スタイル。 - 「この職場で育っていこう」「ここで長く働きたい」と感じさせるには、
お金以外の魅力(人間関係・自己肯定感・学び)が必要です。
■ 長く在籍させるには?
重要なのは「労働時間の満足度 × 人間関係 × 将来への期待感」です。
✅ 1. 安定してシフトを入れられる環境を整える
- できるだけ希望時間に近づける柔軟さ
- ドタキャンや急な削減がない安心感
- 希望より少ないと他を探し始める
✅ 2. 業務以外の「居心地」のよさ
- 店長・先輩との距離感が適度でちょうど良い
- 感謝の言葉がある、雑談ができる関係
- 飲み会やLINEグループでのつながり(ただし強制感はNG)
✅ 3. 「成長できる」感覚を持たせる
- 権限移譲し責任ある仕事を任せる
- ミニ表彰制度(MVP・笑顔賞など)
- 将来的に時給UPや昇格が見える仕組み
- 長く働ける雇用環境
✅ 4. 「卒業する理由」を予測しておく
- 就職、引っ越し、資格勉強…いずれ来る退職を前提に
- 逆に「長くいたくなる条件」を事前に聞いておくと対策できる
✅ 5. 掛け持ちを前提にした雇用設計もアリ
- 「週2で固定シフト」「早朝だけOK」「土日専門」など分業型の採用
- 複数人で1つの役割を分けるような設計
■ まとめ
掛け持ちの背景には、経済的不安定さと職場への不満があるケースが多いでしょう。
「お金」だけでつなぎとめるのは難しい時代なので、人として大切にされている感覚や未来の可能性を感じてもらえる職場が、結果的に定着率を上げる事につながります。
ハラスメントが厳しい時代となり、特に年齢の高い上層部の人たちは人間関係構築へのアプローチをしなくなってませんか。
何か話したら「セクハラ」と言われるかも・・・
「ちょっと厳しく𠮟ったらパワハラ」と言われるかも・・・
そんな警戒感はありませんか。
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しかし、自分らが若い頃と同じで「信頼関係、人間関係」が構築されていれば、叱られても悪くは受け止めなかったのではないですか。
自分らが若い頃に叱られても尊敬できる上司や先輩であったら素直に学べたはずです。
お金優先主義だからと人間関係を構築しようとする行動すら取らない上層部が多くないですか。
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アルバイトや新人の職員の教育を現場の職員に丸投げ。
結果的に新人も丸投げされた職員も不満を感じ、離職につながっていませんか。
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