【客離れが止まらない】人手不足時代の飲食店が直面する“QSC崩壊”の危機|実際に「二度と行かない」と感じた致命的サービス・料理ミス5選

目次

飲食店の最大の敵は「人手不足」ではなく“質の低下”

飲食店は今、過去にないほどの採用難に直面しています。

  • アルバイト応募が来ない
  • 外国人スタッフ頼み
  • 研修に時間をかけられない
  • 未経験者でも採用するしかない
  • 店長が育成より現場に追われる

こうした状況の中で、本来守るべき Q(品質)・S(サービス)・C(クレンリネス) が維持できなくなりつつあります。

特にチェーン店では、
“アルバイトだけで店を回す” が当たり前になり、
個々のスキルによって オペレーションの完成度がバラバラ

その結果、

  • 一度の料理不良で客が離れる
  • たった一回の対応ミスでSNSに書かれる
  • 店の評価が落ちて人が来なくなる

これは珍しいことではなく、むしろ全国で起きている現実です。

飲食店経営で最も怖いのは——
「一度来たお客様が、次に来ないこと」

それは大きなクレームで起きるのではなく、
小さな“残念”が積み重なったとき、静かに起こります。


QSCの崩壊は「たった一回」で十分に起きる

QSCの中でも、特に“取り返しがつかない”のが Q=Quality(料理の品質)

サービスが多少悪くても、清潔さに少し問題があっても、
料理が美味しければリピートはあり得ます。

しかし料理の品質が悪いと、それだけで致命傷

逆に言えば、

  • Cはやるかやらないか(システム化すれば防げる)
  • Sは通常レベルを維持すればなんとか(伸ばせればプラス)
  • Qは落とせない(落とした瞬間に客が離れる)

という構造になっています。

飲食店の失敗の多くは “Qのバラつき” が原因。

店長が見ている時は綺麗に仕上がるが、
アルバイトだけの日は料理が崩壊している。

こんな店はいくらでもあります。

そして、客はこう思うのです。

「今日は当たりが悪かった」ではなく
「この店はいつもこうなんだろう」 と。

だから、二度と来ない。


実際に「もう来ない」と感じた料理・サービスの実例5選(本当に起きた話)

客の声・現場の実態から、“致命的だったケース” を紹介します。


① そば屋:茹でが甘く、芯が残っている(しかも店員は気づいていない)

そばは時間との勝負。
茹で時間が10秒ズレただけで品質が変わる繊細な料理。

しかし、ある有名チェーン店での話。
おそらく「麺の硬さ」を理解していないのか、認識が甘い。

提供されたそばは、

  • ゴワゴワ
  • 芯が残っている
  • ぬめりも取れていない

一口で「あ、もう来ないな」と決まった。
そば屋で“そばが不味い”は致命傷。

蕎麦好きはこだわりがある人が多いので、気に入れば毎日のように来てくれる常連にもなる。


② 中華料理店:揚げ物がべちゃべちゃで油がきれていない

唐揚げ、春巻き、エビフライなどの揚げ物。

本来カラッとしているべき料理が、
皿に置いただけで油がじわっと染み出す状態。

原因は明確。

  • 油の温度管理ができていない
  • 揚げ終わった後の油切りをしていない
  • 同じ油を使いすぎている

揚げ物の不良は、客側は敏感に気付く。

「ここは衛生管理も雑なのか?」
という不安に直結し、再来店はない。


③ ラーメン店:スープの温度がぬるい(繁忙時に起こりやすい)

ラーメンは温度が命。
60℃台に下がったスープは、どれだけ味が良くても台無し。

あるチェーン店で提供されたラーメンは

  • 麺はのびかけ
  • スープはぬるい
  • 盛り付けも雑

明らかに“作り置き”のような状態。

多くの客は言わないが、心の中ではこう思う。

「この店は管理ができていない」

ラーメンがぬるい店に、リピート客は絶対につかない。

ラーメン好きは食べ歩いている人が多いので、評価も厳しめ。良ければ直ぐにSNSに投稿してくれたりもする。


④ 洋食店:ハンバーグの中が半生(新人スタッフの焼きミス)

ハンバーグは中心温度を理解していないと簡単に失敗する。

実際にあった例は、

  • 外側だけ焼けている
  • 中はほぼ生
  • ナイフを入れると赤い汁が溢れる

「すみませんが焼き直しますか?」
と店員は話すが、客はもう食欲が失せている。

衛生リスクも高く、印象は最悪。


⑤ パスタ店:塩味が強すぎて食べられない(レシピ理解の不足)

パスタは手軽だが、塩加減は難しい。
特に新人スタッフは、

  • 茹で加減
  • 茹で汁の量
  • 塩味の調整
  • 乳化のタイミング

これらを再現できない。

結果、
塩辛すぎて食べられないパスタが出てきた。

客は店を出た瞬間にこう思った。

“チェーン店だから味が均一だと思っていたのに、今日は最悪だった”

これも再来店ゼロの典型例。


⑥ 盛り付けが雑:料理が美味しくても“安っぽく”見える

  • 皿のふちにソースが飛び散っている
  • 野菜の置き方がバラバラ
  • ご飯がこぼれている
  • カツが斜めに倒れている

見た瞬間に客は
「丁寧に作っていない」
と判断する。

SNSで写真も取られやすい時代だからこそ、
盛り付けミスは致命的。


なぜこうした“料理の崩壊”が起こるのか?


●原因①:採用難で未経験者を仕方なく採用している

本当に欲しいレベルの人材を採用できない。
これは全国共通の悩み。


●原因②:教育の時間が取れない

店長も人不足で現場に入りっぱなし。
「教えたいけれど教えられない」状態が続く。


●原因③:オペレーションが属人化している

  • Aさんが作ると美味しい
  • Bさんが作ると不味い

という店は危険。


●原因④:レシピが“感覚”で伝わっている

昔気質の店ほど、

「このくらいでOK」
「見ればわかる」

で伝えてしまう。

結果、料理がバラつく。


●原因⑤:チェック機能がない

上がる前の料理を誰も確認しない店は、ミスが店頭に出る。


飲食店が今すぐ取り組むべき“Qを守る仕組み”

飲食店のリピート率を上げるには、
CやSよりも まずQの安定化 が最優先。


① 調理の“完成基準”を数値で定義する

  • 茹で時間
  • 温度
  • 重さ
  • 分量
  • 盛り付け位置

“感覚”ではなく数値化する。


② 完成した料理のチェック担当を決める

アルバイトだけで回す日は特に重要。

アルバイトでも優秀な人材はいます。どのように権限移譲を行い、モチベーションを与えられるかは管理者の能力。


③ 写真付きの「完成例」を厨房に貼る

どれだけ教育が大変でも、視覚化すれば9割伝わる。


④ 「重要工程だけは絶対に責任者がやる」体制を作る

  • スープ管理
  • 揚げ油の温度
  • 茹で時間の管理

ここを任せると崩壊する店は多い。


⑤ 料理ミスを“当たり前に共有できる文化”をつくる

「怒られるから黙っておこう」
これが最悪のサイクル。

ミスの報告=改善点の共有
になる文化は強い。

クレームになると怒られるは良くありません。

クレームは確かに面倒ですが、それ以上に怖いのはサイレントクレーム。直接抗議はしないが、もう二度と来店してくれない。


まとめ|これからは「仕組作りできる店」が生き残る

飲食店の未来は、

  • 人手不足
  • Qのバラつき
  • 接客レベルの低下
  • 教育する時間のなさ

こうした問題がもっと大きくなるでしょう。

そんな中で
生き残るにはQを守る仕組みを作れた店です。

料理が安定して美味しい店は、
どれだけ競合が多くても、大きな強みです。

そしてQが守られた店は、

  • S(サービス)が映える
  • C(清潔さ)が生きる
  • スタッフも働きやすくなる

結果的にお客様が離れなくなる。

飲食店は厳しい時代になりましたが、
“料理の質”を常に維持できる店はいつの時代も抜き出るものです。

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