
はじめに|副業を始める目的は、人それぞれでいい
副業を始める目的は、人によってさまざまです。
将来的に独立して事業化を目指す人もいれば、本業は定年退職まで続けつつ、収入の足しや人とのつながりを楽しみたいという人もいます。
どちらが正解ということはありません。
むしろ「目的が違って当たり前」なのが副業です。
独立したいという夢を持つこと自体は、とても素晴らしいことです。
しかし現実は、そう簡単ではありません。
特に、これまで安定した勤め人として働いてきた人ほど、独立の大変さは頭では理解できても、実感としては分からなくて当然です。
親が勤め人か商売人かによっても、この感覚は大きく変わります。
環境の違いは、考え方の違いとして自然に表れるものです。
勤め人と商売人の決定的な違い
勤め人であれば、会社の業績が悪くなり、叱咤激励される日々を過ごしていたとしても、よほどのことがない限り、決まった日に給料が振り込まれないという事態は起こりません。
一方、商売人や個人事業主は違います。
売上がなければ、収入はゼロ。
それでも、仕入れ代金は支払わなければならず、電気・水道・ガス・通信費・家賃といった固定費は毎月必ず発生します。
お金が回らなくなれば、どれだけ想いや情熱があっても、事業は継続できません。
事業がうまくいかない時ほど、お金の心配は常につきまといます。
これは、実際に経験してみないと分からない現実です。
副業を始めた人のうち、独立を考える人はどれくらいいるのか
では実際に、副業を始めた人のうち、どれくらいの人が独立を意識しているのでしょうか。
各種副業調査や就業意識調査を総合すると、次のような傾向があります。
副業を始めた人のうち、将来的に独立を一度は考えたことがある人は約30〜40%
その中で、明確に独立を目標に行動している人は約10〜15%程度
多くの人は「うまくいったら独立できたらいいな」という、まだ輪郭のぼやけた段階に留まっています。
これは決して悪いことではありません。
むしろ、多くの人にとって自然な感覚です。
実際に独立して生活できている人の割合
では、副業から独立し、事業収入だけで生活できている人はどれくらいいるのでしょうか。
ここが、最も現実を直視しなければならない部分です。
副業経験者全体のうち、実際に独立し、生活が成り立っている人は約3〜5%
独立後3年以内に廃業、もしくは収入不足で撤退する人は約60〜70%
つまり、副業から独立し、安定した生活を送れるようになる人は、かなり少数派だというのが現実です。
独立後、勤め人に戻る人はどれくらいいるのか
独立に失敗した場合、その後の選択はどうなるのでしょうか。
独立後に事業を畳み、再び勤め人に戻る人は約50〜60%
事業とアルバイトやパートを併用しながら生活する人は約20%前後
独立は「一度きりで後戻りできない選択」と思われがちですが、実際には多くの人が再就職という選択をしています。
これは失敗ではなく、現実的な判断です。
一番リスクが高い行動とは何か
副業や起業において、最もリスクが高い行動は何でしょうか。
それは、売上の見込みが立っていない段階で、いきなり独立してしまうことです。
飲食店開業は、その典型例と言えるでしょう。
開業前に固定客がほとんどいない
売上の予測が立たない
それでも家賃、人件費、仕入れ、借入返済は毎月発生する
半年分、1年分の生活費を貯蓄していたとしても、どのくらいで安定するかは誰にも分かりません。
3か月かもしれない
半年かもしれない
1年かもしれない
3年かかる可能性もある
その間、固定費は容赦なく出ていきます。
精神的な負担は、想像以上に大きいものです。
なぜ最初から成功プランを作ると苦しくなるのか
多くの人は、副業を始めると同時に、次のような理想を描きます。
何年後には独立
月商はいくら
この事業で一生やっていく
しかし、計画通りに進まなかった瞬間、自分を追い込んでしまう人が少なくありません。
それよりも大切なのは、計画通りにいかなかった場合の選択肢を、あらかじめ用意しておくことです。
選択肢を複数持つことが、心の余裕を生む
副業をしながら、アルバイトをする。
パートや業務委託を併用する。
本業を続けながら、少しずつ育てる。
こうした選択は、逃げではありません。
生活を守りながら、精神的な余裕を保ち、長く続けるための賢い判断です。
副業は短距離走ではなく、長距離走です。
副業は、焦らなくていい
副業によっては、1年かけてようやく売上に差が出るものもあります。
固定客が複数ついて、やっと安定の兆しが見えるケースも珍しくありません。
焦って独立するよりも、複数の収入源を確保し、複数の固定客がついてから独立しても遅くはありません。
まとめ|続けられる形を選ぶことが、成功への近道
副業で独立を目指すことは、素晴らしい挑戦です。
しかし、最初から背水の陣を敷く必要はありません。
成功だけでなく、うまくいかなかった場合も想定する。
選択肢を複数持つ。
生活を守りながら続ける。
この視点を持っている人ほど、結果的に長く副業を続け、チャンスを掴んでいます。
独立することよりも、続けられることを最優先に。
それが、後悔しない副業の始め方ではないでしょうか。
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