
◆ カスタマーハラスメントを“他人事”と思っていませんか?
カスタマーハラスメント(カスハラ)という言葉は、近年ようやく知られるようになってきました。しかし、まだ十分に理解されていないのも事実です。
「お客様だから言いたいことを言っていい」
「接客業なんだから、嫌なことを言われても我慢するのが仕事」
——そんな“昭和の価値観”のまま働いている人も少なくありません。
しかし、現代ではこれは完全に 「間違った働き方」 です。
スタッフが尊重されない環境は、人が育たず、離職率が増え、企業の力を弱め、サービスの質も低下していきます。
実店舗だけではなく、近年は フリマアプリでもカスハラが増えています。
「買ってやる」という上から目線の人
根拠のない中傷を平気で書く人
こちらの話を聞かず事務局への通報をちらつかせてくる人
対面ではない分、言葉が暴力的になりやすいのです。
この記事では、 カスハラを知らない人・我慢し続けている人に向けて、現状と正しい向き合い方 をまとめます。
◆ 「顧客だから何を言ってもいい」時代は終わった
まず前提として、 顧客であっても他者を傷つけて良い理由にはならない という事実があります。
厚生労働省も2020年以降、企業に対して カスタマーハラスメント対策を義務化 しました。
つまり国としても「もう我慢させてはいけない」という方針です。
しかし現実には——
- カスハラ対策が会社に浸透していない
- 相談窓口が機能していない
- そもそも「お客様は神様です」の価値観が強い
- 現場任せで店長や社員が守ってくれない
こうした環境はまだまだ多い。
特に問題なのは、 末端のスタッフを守ろうとしない会社。
あなたがもしカスハラを何度も受けているのに、職場が守ってくれないなら——
それは 会社が「人を大切にできない会社」 だという証拠です。
● 忙しい時に「忙しいんで無理です」と突き放す会社は終わっている
本来、スタッフを守るべき管理者が
「忙しいので対応できません」
と部下に言い放つ会社があります。
これは“終わっている会社”です。
顧客に対しても不誠実。
スタッフに対しても不誠実。
こんな会社では人材が定着するはずがありません。
あなたが疲れ切っているなら—— 環境を変えることを考えて良いタイミング です。
◆ フリマアプリにも増える「見えないカスハラ」
フリマアプリは匿名性が高く、対面ではないため、カスハラが起きやすくなっています。特に目立つのは以下。
● ①「買ってやる」姿勢の購入者
上から目線で当然のように要求してくるタイプです。
- 値下げを要求し、希望額でないと暴言
- 「悪質です」など根拠のない決めつけた非難中傷
- こちらの返信が遅れると怒り出す
本来、取引は対等であるはずですが、勘違いしている人が一定数います。
● ② 根拠のない中傷コメントを平気で書く人
「悪質」
「詐欺まがい」
「説明不足すぎる」
根拠も理由もなく、ただ自分の思い込みだけで悪質な言葉を投げてくる——これは完全にカスハラです。
中傷行為は 名誉毀損・信用毀損に当たる可能性があり、法的にも問題となり得ます。
● ③ 話を聞かずに即・事務局通報をちらつかせる人
こちらが説明しても読まない、聞かない。
そのくせ「通報します」「悪い評価にします」という脅し文句を平気で使う。
自己の要求を通すための“脅しの通報”は
悪意ある利用者として処置される可能性がある行為 です。
◆ カスハラを受けた時に「やってはいけないこと」
✖ ① 無理に話を続けること
自己主張が強い相手は、こちらが何を言っても 倍以上にして返してきます。
対話にならず、消耗するだけ。
✖ ② 感情的に反論すること
どれだけ理不尽でも、怒りをぶつけると
相手の攻撃性が倍増します。
✖ ③ 相手に迎合しすぎること
迎合すると
「この人には強く出れば通る」
と認識され、さらに要求がエスカレートします。
◆ カスハラを受けたらどう対応すべきか?
● まずは「距離を置く」
返信を急ぐ必要はありません。
無理に対話を続けると、相手の攻撃が激しくなるだけです。
冷静に、一度距離を置きましょう。
● フリマでは「事務局に即相談」が最優先
自己主張が強い相手に説明をしても無駄なケースがほとんどです。
特に——
- 根拠のない中傷
- 脅し文句(通報します、悪い評価にします)
- 過剰な返品要求
- こちらの説明を読まない
こうした場合は すぐに事務局へ相談して良い です。
むしろ、早めに相談したほうが
「出品者が不利になる誤解」
を防げることが多い。
● 実店舗では「会社が守る仕組み」が必須
もし職場にカスハラ対策がなければ、非常に危険です。
こんな会社は要注意
- クレームを全てスタッフ任せ
- 店長が守ってくれない
- カスハラ対応マニュアルがない
- 相談しても「我慢して」で終わる
こうした会社は
人を守る文化がない=長期的に働いてはいけない環境
と言っても過言ではありません。
あなたが悪いのではなく、会社が未成熟なのです。
◆ ◆ カスハラ時代を生きるために「自分を守る選択」を持つ
カスハラは、こちらの人間性や能力の問題ではなく、
相手の価値観の偏り・コミュニケーションの歪みから生まれるもの です。
だからこそ、まともに相手をしようとすると消耗します。
- 理不尽な人とは関わらない
- 事務局・管理者にすぐ相談する
- 守ってくれない職場なら環境を変える
これが現代の正しいカスハラ対策です。
◆ まとめ|「あなたの心を守るために」知ってほしいこと
- 顧客だからと何を言ってもいい時代は終わった
- フリマでも実店舗でもカスハラは存在する
- 中傷や脅しは法的にも問題あり得る
- 自己主張が強い人とは対話にならない
- スタッフを守らない会社は辞める選択肢を持つべき
- フリマでは早めに事務局へ相談が最適解
あなたは“雑に扱われて良い存在”ではありません。
丁寧に仕事をし、誠実に取引をしているなら、
理不尽な言葉を受け止める必要はありません。
カスハラは あなたが耐えるものではなく、排除すべき問題行為 です。
あなたが疲れず、安心して働き・取引できる環境をつくるために、
この記事が少しでも力になれば幸いです。
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