飲食店開業一本で勝負は危険?開業3年で半数が撤退!飲食店は初めるのは大変だけどそれ以上に“続けるのが難しい”理由

「いつか店を持ちたい」を現実にした先で見える景色

飲食店開業は“本業としてやるべき仕事”なのか?3年以内に半数が消える理由**

飲食の世界に身を置くと、多くの人が一度はこう思います。

「いつかは自分の店を持ちたい」

厨房に立ち、サービスをし、料理を通じてお客様が笑顔になる瞬間に触れ続けると、自然と湧き上がる感情です。
店舗運営はシンプルです。食材を仕入れ、調理し、提供し、対価をいただく。それだけ――に見える。

しかし現実は、“何とか開業できても”“続けること”更に困難です。

開業から1年以内に消える店は多く、3年継続できる店は半分もありません。
その背景には、華やかなイメージとはかけ離れた現実が横たわっています。

これから開業する人の夢を折るためではなく、知ったうえで挑むための材料として、飲食というビジネスの難しさと向き合ってじっくり吟味して下さい。
私自身も飲食業に長く関わり、開業と運営の難しさを身をもって体験してきました。これはそのリアルです。


目次

■ なぜ飲食店は継続できないのか?

1. 開業資金の重さは想像以上

飲食店は比較的参入障壁が低いと言われますが、初期費用は小さくありません
内装・厨房設備・初期食材・人件費準備金・広告費……。数百万円〜数千万円は覚悟が必要です。

さらに開業時に借入に頼った場合、毎月の売上とは別に 返済 が発生します。
店が黒字であっても、返済が利益を食いつぶすケースは珍しくありません。

黒字倒産は飲食業には普通にある。

夢では返済できません。現金が足りなければ終わります。
そしてもし廃業しても借金は残ります。


2. 最大の固定費は「家賃」

立地が悪ければ客は来ない。
立地が良ければ家賃が高い。

飲食店は 立地選択の時点で勝負の7割が決まると言っても過言ではありません。

都市部なら月40〜50万円は普通。
保証金も高く、開業資金の大半を奪われることすらあります。

しかも一度店を構えたら場所は動かせない。

雨が続けば人は来ない。
イベントで街の流れが変われば売上が落ちる。
流行が終われば客層が消える。

立地は「変えられない固定リスク」。

ここを軽視して開業し、資金が尽きる店舗が多いのです。


3. ターゲットが高齢化すれば商売は続かない

街の年齢層は売上の未来そのもの。
客単価が低く、胃袋も小さい高齢層中心の地域では、売上は伸びません。

反対に繁華街は家賃が重くのしかかります。
つまり理想の立地は存在しても、予算が追いつかない現実がある。

「人が多い場所に出せば勝てる」
そんな時代は終わりました。


4. 個人店はすぐには知られない

チェーン店は広告、ブランド力、看板効果、検索表示――武器が多い。
個人店は、誰にも知られていないゼロからのスタートです。

毎日コツコツ積み上げなければ話題にならず、
知名度が上がる頃には資金が尽きることもある。

認知が広がるスピードより、固定費の消費が早い。

これが現実です。


■ 売上の構造から見る飲食業の厳しさ

仮に客単価1,000円の20席の店だとします。

昼3回転
夜2回転
→合計 5回転 × 20席 = 100人 × 1,000円 = 10万円/日

10万円と聞くと多く見えますが、ここから

  • 食材原価
  • 人件費
  • 家賃
  • 光熱費
  • 消耗品
  • 借入返済
  • 税金

これらを引くと、経営者に残る利益はごくわずか。
しかもこれを毎日続けて初めて成立します。

1日店を休めば10万円が飛び、
体調不良でも台風でも仕入れのミスでも影響は出る。

店を開け続けて初めて利益が出る――その消耗感は想像以上です。


■ 店を開ける=一日中働くということ

営業時間 11:00〜15:00 / 17:00〜22:00
しかし実働は

仕込み → 営業 → 片付け → 翌日の準備
朝8時〜深夜0時

12〜16時間拘束は普通。
それでも「売上が悪いから休めない」。

料理の研究や市場分析の時間は削られ、
気づけば店に縛られた労働者になる人も多い。

開業=自由ではない。むしろ拘束は強くなる。

夢を追うほど、自分の時間は消えていきます。


■ では、それでも挑戦したい人へ

ここまで悲観的に聞こえたかもしれません。
しかし私は飲食を否定しているのではありません。

覚悟を持ち、準備し、戦略を立てれば成功も可能。

問題は、多くの人が「勢い」で開業してしまうことです。
だからこそ、以下を持つ人は挑んでも良いと思っています。


★ 開業を現実にする条件

項目できる人は挑戦できる
資金に余裕がある借入前提ではなく、数ヶ月赤字でも耐えられる
目的がお金ではなく楽しさにある利益より店を持つこと自体が幸せ
信頼できる店長・職人を任せられる自分が不在でも回せる
マーケティング理解がある料理だけで勝てる時代ではない
店舗以外の収入源もある本業の収入でリスクを相殺できる

飲食一本の勝負は危険です。
しかしサブ事業、趣味、小規模投資としてなら選択肢になります。

趣味で店舗運営?と聞くと「飲食をなめるなぁ」、「馬鹿にするなぁ」と言われる方もいます。ですが、本業ビジネスで資金に余裕があれば楽しい趣味になるのではなないでしょうか。老若男女問わず人が集まり、いろんな話ができる場は憩いの場となるでしょう。そんな場を提供できれば素敵だと思いませんか?

“夢の店”ではなく”持続できる店”を目指すべき。


■ 結論|飲食店は「始めるより続ける方が難しい」

飲食店は夢の象徴のように見えます。
しかし現実は、

  • 開業資金の重圧
  • 返済と固定費
  • 立地の罠
  • 高齢化と客層問題
  • 認知拡大の遅さ
  • 長時間労働と拘束
  • 利益率の低さ

多くの壁が前に立ちはだかります。

だからこそ私は声を大にして伝えたい。

飲食店開業は本業一本で戦うビジネスではない。
覚悟と戦略があって初めて“スタートライン”に立てる。

夢があるなら挑もう。
ただし、知らずに踏み出すのではなく、
現実を理解した上で強く歩いてほしい。

この文章が、これから飲食の道を目指す誰かの
「無謀な開業」ではなく「生き残る開業」へ繋がることを願ってます。

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