「独身という生き方のリアル」|40・50・60代に急増する単身者たち──30年前との比較と“孤独と自由”の本音

目次

“独身の選択”は珍しくなくなった時代へ

かつて「結婚して一人前」と言われた時代がありました。
しかし、今やその価値観は大きく変わりつつあります。

2025年現在、日本の単身世帯は全体の約38%
国勢調査によると、1995年は全体の約25%だったため、
この30年で実に 1.5倍以上の増加 を見せています。

目立つのが 40代〜60代の単身者増加
離婚・死別による単身化もありますが、
「結婚に興味がない」「1人が楽」「他人と暮らすのが面倒」という
“意識的な独身”も確実に増えています。

40代|「まだチャンスはある」でも“1人でいたい自分”もいる

■40代男性(45歳・会社員・離婚歴あり)

「結婚生活で一番疲れたのは“気を遣うこと”だった。
家に帰っても気が休まらなかった。
離婚して3年、ようやく“自分の時間”が戻ってきた。
正直、寂しさはある。でも、あの頃には戻りたくない。」

40代男性の単身者はこの10年で急増。
総務省の統計では、40代男性の 4人に1人が未婚または単身 です。
離婚を経験し、「もう他人と暮らすのはしんどい」と感じる人も多い。

結婚生活を“義務”として耐えてきた世代にとって、
「自由=解放」 という感覚が強く、
再婚より「1人で生きる技術」を磨く傾向があります。


■40代女性(42歳・フリーランス・未婚)

「昔は“40までに結婚しないと”と思ってた。
でも気づいたら、自分のペースで働いて、
週末は好きな友達と旅して、人生そこそこ楽しい。
結婚した友人たちは、家事や子育てで疲弊してる。
それ見てたら、無理に結婚する理由が見当たらない。」

40代女性の未婚率は 約20%
かつて「行き遅れ」と言われた年代ですが、今ではまったく珍しくありません。
むしろ、経済的に自立し、人生を自分でデザインする女性 が増えています。

一方で、「親が高齢化して介護の担い手が自分しかいない」といった
“単身ゆえの重責”を感じ始める年齢でもあります。

50代|“自由と孤独”が混ざり合う成熟期

■50代男性(53歳・自営業・未婚)

「若い頃は“いつか結婚する”と思ってたけど、
気づいたら仕事に没頭していて、気がつけば50。
今さら家庭を作る気もないし、
誰かに合わせるより“孤独を選ぶ自由”の方が心地いい。」

50代男性の未婚率は 約25%
この世代は「仕事中心の生き方」が当たり前で、
**“気づいたら一人”**というパターンが多い。

孤独よりも「自由」「自分のリズムを守りたい」という価値観が強く、
“独身=負け組”という考えはもう過去のものです。

ただ、ふと病気をした時や正月の帰省時など、
「自分のことを気にかけてくれる人がいない」
という現実にハッとする瞬間もあるようです。


■50代女性(56歳・派遣社員・離婚歴あり)

「結婚して20年、離婚して10年。
今は一人暮らしだけど、毎日がすごく気楽。
夫に合わせてご飯作ったり、義母に気を遣ったり、
あのストレスを思えば、今の静けさは天国。
ただ、病院の付き添いとか、いざという時に頼れる人はいない。
“孤独”が怖くなる夜は、正直ある。」

50代女性の単身者も増加傾向にあり、
離婚後の再婚を望まない女性が非常に多いのが特徴です。

経済的にはやや不安定でも、
「精神的な平穏」を選ぶ人が増えています。
自由を得る代わりに、“老後の不安”が付きまとう。
それでも「一人を選ぶ」──そんな強さが見えます。

60代|「一人で生き抜く覚悟」が現実になる世代

■60代男性(67歳・定年退職・離婚歴あり)

「定年後、誰とも住んでない家に帰ると静かすぎて怖い。
若い頃は“1人最高!”って思ってたけど、
歳を取ると“会話のない日”が堪える。
老後の自由って、実は孤独と紙一重なんだよ。」

60代男性単身者の割合は 3人に1人
離婚・死別・未婚、理由はさまざまですが、
「自由より孤独が勝ってきた」という声が多いのが特徴です。

若い頃は「気楽な独身」を満喫していた人も、
定年・健康・老後資金などの現実を突きつけられ、
「誰かに看取ってもらえるのか」と不安になる時期でもあります。


■60代女性(63歳・年金生活・未婚)

「結婚に興味がなかった。
若い頃は仕事に夢中で、恋愛よりも自分の人生を生きた。
今も好きなように旅行して、友達も多い。
でも、夜中に体調崩した時だけ、“家族がいたら…”って思う。
その一瞬だけね。」

60代女性の未婚率は 約15%
男性に比べると低いものの、増加傾向は続いています。
女性の方が社交的で、“つながり上手な独身”が多いのが特徴。
友人同士で助け合い、ゆるいコミュニティを形成して生きる姿も見られます。

ただし、年金額は男性より低く、
「お金の不安」が独身女性の共通課題です。

独身のメリットとデメリットを改めて整理する

視点メリットデメリット
経済面お金の使い方を自由に決められる老後の生活資金をすべて自分で確保する必要
精神面気を遣わない・自由な時間病気・孤独・孤立のリスク
生活面自分のペースで暮らせる家事・介護・緊急時の負担がすべて自分に
人間関係他人に振り回されない社会との接点を失いやすい

独身は「楽」でもあり「厳しい」選択です。
他人に合わせない自由を得る代わりに、
全ての責任を自分で背負う覚悟が必要になります。

「独身でよかった」と「独身が怖い」は紙一重

興味深いのは、同じ“独身”でも感情が真逆になることです。

  • 「一人の自由を満喫している人」
  • 「孤独に押しつぶされそうな人」

この違いを分けるのは、“人とのつながりを持てているかどうか”
結婚していなくても、
友人・仕事仲間・地域との関係がある人は、
精神的に安定しています。

一方で、「1人の気楽さ」に慣れすぎて
人間関係を絶ってしまうと、老後に急激な孤独が訪れます。

まとめ|“結婚しない人生”も、“誰とも繋がらない人生”ではない

30年前は“独身=特例”でしたが、
今は“独身=選択のひとつ”という時代。

結婚を前提とせず、自分らしい人生を選ぶ人が増えています。
ただし、「誰とも関わらない自由」は、
“孤独という負債”を生むことを忘れてはいけない。

孤独を恐れず、でも孤立しない。
そんなバランス感覚こそが、
令和時代の“成熟した独身”の生き方ではないでしょうか。

結婚をしてもしなくても、人は結局「自分とどう向き合うか」で幸福が決まる。
独身とは、他人ではなく“自分を信頼できるかどうか”を問う生き方なのかもしれません。

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